第15章 ますます好奇心が強くなる

北条寒生は、また一つ例外を認めることになった。

運転席のアシスタントに資料を渡し、時間、場所、引き渡し先、車の処理について指示を出した後、自ら運転して葉山ゆうを病院へ送ることにした。

葉山ゆうは、この程度の怪我で病院に行く必要はないと思っていた。道場を営む家で育った彼女は、女の子とはいえ、護身術を学んでいたため、怪我には慣れていたのだ。

彼のこの過度な気遣いに、むしろ戸惑いを感じていた。

「大切だから病院に連れて行くわけじゃない」まるで心を読むかのように彼は言った。

「それは…私が行きたいからだ」

まったく論理的ではない言葉なのに、まるで勅命のように、葉山ゆうは断れなかった。そっ...

ログインして続きを読む