第18章 部屋を借りてゆっくり見る

葉山ゆうはナンバープレートを見て分かった。

後部座席の窓が下がると、男の顔が見えた。隣でバスを待っている女子たちから驚嘆の声が上がった。

「すごくイケメン!」

「ロールスロイスに運転手付き、お金持ちすぎ!」

葉山ゆうは呆れて眉をひそめた。「また、あなたなの?」

「偶然だ」北条寒生は簡潔に答え、冷たい横顔は見る者を魅了した。

葉山ゆうは信じるわけがなかった。「まさか、バス停に『お客』を迎えに来たとか言わないでしょうね」

「わざわざ君を迎えに来たって分かってるなら、乗れよ」

乗れ?彼女の意思なんて聞いたのか?

葉山ゆうは彼の横暴な態度が気に入らなかった。

「あの超イケメンの彼...

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