第2章 首のキスマーク

「知らないって言われても、そう簡単には済まないな」

北条寒生は携帯を取り出し、「今出て行った女を尾行しろ」と命じた。

葉山ゆうは、ホテルの近くの薬局を見つけ、入店し、何気なく商品を見るふりをした。

「何かお探しですか?」厳しい表情の薬剤師が近づいてきた。

「あの...避妊薬を...」葉山ゆうは、蚊の鳴くような小さな声で、顔を真っ赤にして言った。

薬剤師は薬を手渡した。

「ありがとうございます」葉山ゆうは代金を支払うと、店を飛び出し、すぐに薬を取り出して乾いたまま飲み込んだ。

苦い...避妊薬ってこんなに苦いものなの?

......

薬剤師は白衣を脱ぐと、中からスーツが現れ、...

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