第23章 キスして

「どうして分かったの?」北条寒生は頷いた。

「上月星さんは私の推しなの!彼のおかげで業界に入ったのよ。彼のスタイルは誰よりも知ってるわ」葉山ゆうは、アイドルの話になると先ほどの嫌そうな表情が一変し、目を輝かせて興奮した様子で話した。まるでファンガールそのものだった。

「推しがデザインした家に一晩泊まれたなんて、四捨五入したら推しと知り合いになったようなものじゃない?ラッキーすぎる!」

「彼と知り合えたのはラッキーかもしれないが、私と知り合えたのは?」

「それは八代前からの厄災よ!」葉山ゆうは躊躇なく答えた。

柏本おじさんは笑いを堪えていた。この葉山お嬢さんは大胆な物言いだが、可愛ら...

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