第3章 彼の「おかしさ」

その夜、緋色バーにて。葉山ゆうはバニーガール姿で、ドリンクを手に店内を歩き回っていた。

周囲には耳をつんざくような音楽が鳴り響き、カラフルな光が空気中で踊っている。艶めかしいダンサーたちが懸命にポールダンスを踊っていた。

朝方まで二度とバーには行かないと誓ったのに、時給四千円のバイトに負けてしまった彼女だった。

この衣装は胸元が開きすぎている。葉山ゆうは何度か引っ張って直した。

店内では時折客に絡まれ、葉山ゆうは慎重に対応していた。

マネージャーがダイヤモンドをちりばめた青いお酒を渡してきた。「気をつけろよ、これ二千万円のボトルだからな」

二千万円!そんなに高価なお酒があるの?

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