第32章 彼のために料理を作る

看護師は答えた。「かなりハンサムな男性で、スーツを着て、眼鏡をかけていました。友達じゃないんですか?私、彼のLINEを聞こうと思っていたくらいです」

スーツに眼鏡……もしかして松本特別秘書?

つまり入院費を払ってくれたのはあの男性?どうして弟の入院を知っているの?

葉山ゆうは一時複雑な気持ちになり、何とも言えない感情だった。

しかし入り混じった感情の中に、一筋の感謝の気持ちがあった。少なくとも彼は自分の差し迫った問題を解決してくれたのだから。

昨日あんなにはっきりと冷たい言葉をかけたのに、なぜ彼は密かに助けてくれたの?何か裏があるの?

葉山ゆうには理由が見当つかなかった。

「ど...

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