第36章 命の綱

「『死人』なんか見えないよ」と葉山ゆうは冷たく言い放ち、命令口調で低く吠えた。「離して、しつこいんだよ！」

秋山陽介は怒りに満ちた表情で「どうしたんだよ？叔父さんと一緒になったら、俺がうざくなったのか？前はべったりだったくせに、今は……」と言った。

「過去のことなんか持ち出さないで。あの頃はあんたがクズ男だって知らなかったのよ！」葉山ゆうの声は氷のように冷たかった。

理性的には、クズ男のために怒る価値なんてないとわかっていた。でも、無理だった。彼を見るたびに平手打ちを何発もお見舞いして、蹴り飛ばしてやりたくなる。人渣への嫌悪感は、抑えようがなかった。

「俺がクズ男？お前だってどこがい...