第44章 あなたは多重人格ですか?

夜の宴会で、上月星は個室を予約し、三つのテーブルが用意されていた。

葉山ゆうはチームと同じテーブルに座り、江口あんなが彼女の隣に座っていた。

席の間、佐藤さやかは上月星の前でグラスを持ち上げ、皮肉っぽく言った。「ゆうちゃんってさぁ、入社して一週間も経たないうちに、こんな大きなプロジェクトを任されるなんて、これからはチームの柱になるのね。上月さんがそこまで期待してるんだから、絶対に失望させないでよね。ほら、乾杯」

佐藤さやかの言葉に含まれる嫉妬の色は、誰もが感じ取れたが、誰も何も言わなかった。

今日の出来事は、みんなにとって意外だった。

上月星がエレベーター前で葉山ゆうの名前を尋ね、...

ログインして続きを読む