第46章 ピンクのウサギ

松本特別秘書はバックミラーから北条寒生を見て、彼は頷いた。

松本特別秘書は車を路肩に停めた。

「わ、私、あのうさぎが欲しい」葉山ゆうは玩具店のショーウィンドウにある半身ほどの大きさのピンク色の大きなうさぎを指さし、赤くなった顔で焦りながら言った。

北条寒生は眉をひそめた。うさぎ?彼女は突然どうしたというのか?あのピンク色のうさぎには特に変わったところなど何もない。

「欲しいの、買って」葉山ゆうの口調はさらに切迫し、まるで子供のように、あのうさぎを誰かに奪われてしまうのではないかと心配しているようだった。

北条寒生が口を開いた。「松本特別秘書……」

「いや、あなたに買ってきてほしい...

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