第47章 本当にあの仕事をしているんですか?

電話は安田からだった。葉山ゆうは少し躊躇した。

傍らにいる彼の冷たく厳しい雰囲気に押され、手が切断ボタンに触れかけたその時……

「どうした?私の前で電話を受けるのが都合悪いのか?」北条寒生が沈んだ声で尋ねた。

彼にそう言われると、逆に受けないわけにはいかなくなった。通話ボタンをスライドさせると、安田の嬉しそうな声が聞こえてきた。「ゆうちゃん、仕事が見つかったよ!」

葉山ゆうは目を輝かせ、興奮して言った。「バラ園?」

「違うんだ。この二日間、君からの知らせを待ちながら、履歴書を送ってたんだ。五つ星ホテルのレストランに応募したんだけど、望みは薄いと思ってた。でも今朝、そこの人事マネージ...

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