第50章 将来有望

葉山ゆうは思わず吹き出し、リラックスした調子で彼をからかった。「もういいよ、いつまでも嘘ついたって面白くないよ。本当に社長だったら、あなたの前でこんなに気楽に話せないし、こんなにくつろげないよ」

「私は君に対して、身分の違いで態度を変えたりしない」北条寒生は真剣かつ熱心に、深い情感を湛えた魅力的な眼差しで言った。

葉山ゆうの鼓動が乱れ、頬が赤く染まった。

北条寒生の眼差しと言葉は、まるで葉山ゆうに告げているようだった——彼女は彼にとって大切な存在だと。

錯覚、きっと錯覚だ。こんなに冷淡な人が、誰を心の中で大事にするだろう?きっと女の子を口説くための常套手段の一つなんだろう。

でも確...

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