第53章 罠にかけられる

「林田さん、ご覧ください」葉山ゆうは両手でデザイン画を差し出した。

林田青子は彼女のデザイン画を見ると、最初は目を見開き、すぐに眉をひそめた。

佐藤さやかは冷ややかに笑った。はっ、大胆な革新だって?派手なだけの見せかけじゃない。林田青子をお人好しだと思ってるの?この林田青子はとても厳しい目を持っていて、そう簡単に騙せる相手じゃないわ。

葉山ゆう、上月様が後ろ盾にいるからって、プロジェクトが確実だと思ってるの?決定権は林田青子の手にあるのよ。結局このプロジェクトは自分のもの、アシスタントが自分の手柄を奪えると思わないことね!

佐藤さやかはゆっくりと自分のデザイン画を取り出し、自信満々に...

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