第56章 逆転

北条寒生は冷笑を浮かべ、その鋭い視線が佐藤さやかを射抜いた。威厳に満ちた冷たい声が響く。「昨日、葉山ゆうのパソコンを使ったのは誰か。それがすなわち犯人だ」

佐藤さやかは慌てて後ろめたさから顔を伏せた。

「自分から認めるか?それとも監視カメラを確認するか?」北条寒生は冷ややかに鼻を鳴らした。一言一句に抗いがたい威圧感と強さが漂っていた。

皆は互いに顔を見合わせ、誰なのか見当もつかない様子だった。

「監視カメラを確認することになれば、単なる解雇では済まないぞ」

葉山ゆうはようやく彼の身分を知った衝撃から立ち直りかけ、無意識に佐藤さやかの方を見た。

社長が知ってる、絶対知ってる……佐藤...

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