第6章 恋愛に失敗し仕事で成功する

葉山ゆうは必死に抵抗し、大声で助けを求め、キャンバスシューズまで片方脱げてしまったが、力の差は歴然で、車はすでに発進していた。

車内は極めて贅沢な内装で、スターライトルーフが設置され、ロマンチックな雰囲気を醸し出していた。

「綺麗...」葉山ゆうは感動のあまり、一瞬怒りを忘れてしまった。

目を丸くした姿は少々可愛らしく見えた。北条寒生の周りには、こんなに「世間知らず」な女性は長年いなかったからだ。

「取り外して持って帰らせてやろうか。ゆっくり眺められるぞ」

葉山ゆうは我に返り、不機嫌な表情を取り戻した。「要りません。お仕事、順調みたいですね?」

「2億円の車に乗って、VIP席で2...

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