第7章 求職

翌日、朝八時前、葉山ゆうは北条グループのビル前に到着した。

金ピカに輝く超高層ビルを見上げ、感嘆の声が止まらなかった。さすが業界トップの財閥、その威容に言葉を失うほどだった。

出入りする社員たちからも優越感が滲み出ていた。葉山ゆうの心臓は高鳴った。トップデザイナーになることは彼女の夢だった。

「ピンポーン」エレベーターが到着し、葉山ゆうは中に入った。心の中で「頑張れ、頑張れ」と自分を励ました。

知らぬ間に、彼女は既に誰かの「獲物」となっていた。

北条寒生は会社のロビーに入るなり、見覚えのあるシルエットを捕らえた。

葉山ゆう、彼女はスーツ姿で、明らかに面接に来たのだった。

「あの...

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