第9章 風俗嬢になれない

葉山ゆうは顔が真っ青になった。妊娠したんじゃないだろうか?

心の中で自分に言い聞かせた。薬を飲んだはずだ。そんな不運なはずがない。

「具合が悪いのか?」北条寒生が肩に手を触れようとした瞬間、葉山ゆうは素早く身を引いた。「触らないで」

「吐き気?妊娠か?」

彼にそう聞かれ、葉山ゆうの目がさらに慌てた様子を見せた。

「冗談だよ。つわりはそんなに早く出ないさ。でも、もし本当に妊娠したなら、産んでもらう」北条寒生は断固として言った。

「冗談じゃないわ!あんたの子なんて産むわけないでしょ。そんな期待は捨てなさい」葉山ゆうは尻尾を踏まれた猫のように激しく反応した。

「……」自分の子を産みた...

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