第7章
高橋愛実視点
私はスマホを握りしめ、翔が愛情のこもった眼差しで近づいてくるのを見ていた。この完璧な夜の喜びを、私と分かち合おうとしてくれている。
『どうすればいいの? 彼に本当のことを言うべき?』
その時だった。スマホがけたたましく鳴り響いたのは。見知らぬ番号からだった。
「もしもし?」
「高橋愛実さんですか? こちらS病院の救急看護師です。お兄さんの高橋律さんが深刻な交通事故に遭われました。危険な状態です。すぐにこちらへ来てください」
スマホが手から滑り落ち、床に叩きつけられた。
世界がぐらりと揺れる。
「愛実? どうしたんだ?」翔はふらついた私の体をすぐに支えてく...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
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