第5章

 神谷家のパーティーがお開きになったのは、深夜のことだった。

 帰りの車内で、私は窓の外、東京湾のほうで明滅する灯りを眺めながら、口の端を歪めて冷笑した。三百五十億のプロジェクト、五年後のランドマークだって?

 このいわゆる「ゴールデンプロジェクト」こそが、彼らを破滅させる最後の一押しになるのだ。

 バックミラー越しに、高嶺翔太が私を観察しているのが見えた。

「誰と連絡を取っている?」彼の口調には、値踏みするような響きがあった。

「友達よ」私は優しく微笑んだ。「ニューヨーク時代の同級生。帰国してどうしてるかって」

 彼はそれ以上追及せず、窓外へ視線を戻した。

 佐佐木小春はシー...

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