第6章

 東京証券取引所、午前九時ちょうど。

 寄り付きの鐘が鳴り響いた瞬間、三社の株価が同時に異常な値動きを見せた。

 高嶺グループの株価は、初値の3200円からわずか五分足らずで2850円まで暴落。下落率は10%を超えた。

 神谷金融はさらに悲惨だ。4500円から3900円へ。

 藤原不動産もまた例外ではなく、株価はそのままストップ安に張り付いた。

 トレーディングルームは大混乱に陥り、赤い下落チャートがまるで滝のように流れ落ちていく。

「どういうことだ?!」

 神谷遼介はモニターを睨みつけ、額に脂汗を浮かべた。

「誰が大量に売り浴びせているんだ?!」

「一箇所のアカウントでは...

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