第10章

明ちゃんの腕はまだ未熟だ。夢ちゃんが具体的にどんな心臓病を患っているかまでは特定できない。だが、彼女の病状が決して軽くはないことだけは、肌で感じ取っていた。

明ちゃんがさらに詳しく探ろうとした矢先、皐月夏帆がドアを開けて入ってきた。

それまでぐったりとしていた夢ちゃんの瞳に、夏帆の姿を見た瞬間、パッと光が宿る。

夏帆は娘の顔色が優れないことに気づき、心配そうにしゃがみ込んだ。

「夜ちゃん、どうしたの? 元気がないみたいだけど、どこか具合でも悪いの?」

明ちゃんはママに感づかれるのを恐れ、慌てて取り繕った。

「ママ、妹が病気なわけないじゃん。あんなに頑丈なのに」

「朝早く起きて、...

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