第102章

綾瀬結愛はしばらく廊下をうろうろしていたが、やがて夢ちゃんの病室へと足を向けた。

夜ちゃんは直感した。水色未羽が言っていた「変なお婆さん」というのは、きっと綾瀬結愛のことだ。

けれど、あのお婆さんは自分と兄を助けてくれた恩人だ。一体どこが変だというのだろう?

数分後、周囲の安全を何度も確認してから、水色未羽は二人の子供の手を引き、暁月海斗のオフィスを後にした。

去り際に見えた暁月海斗はまだ泥のように眠っていた。昨夜の手術がいかに過酷なものだったか、その寝顔が物語っている。

綾瀬結愛との鉢合わせを避けるため、水色未羽はあえてエレベーターを使わず、子供たちを連れて非常階段を降りた。

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