第105章

夜ちゃんと明ちゃんの幼く愛らしい声を聞いて、皐月夏帆は手に提げた食材を見つめ、困ったように苦笑した。

「明ちゃん、夜ちゃん。ママも二人に会いたいわ。でも、お仕事があるから、まだお家には帰れないの……」

 まだ帰れないという夏帆の言葉に、二人はあからさまに失望した様子を見せる。

 夜ちゃんが尋ねた。

「じゃあ……ママ、いつになったら帰ってくるの?」

 夏帆は少し考えてから答えた。

「はっきりとは言えないけれど、仕事が終わったら必ず帰るから。ね、いい子にしてて?」

 電話越しに二人を懸命になだめ、ようやく通話を終えると、彼女は買ってきた食材を手に、上の階にあるホテルの客室へと向かっ...

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