第107章

その人影は、サイズの合っていない病衣に身を包み、廊下の手すりにすがりつくようにして、猫背で小刻みに進んでいた。

その姿は、普段、夜ちゃんと明ちゃんが隠れんぼをして遊んでいる時の様子と瓜二つだった。

さらに、その小さな背中には長い髪が垂れている。皐月夏帆は一瞬にして、その姿を夜ちゃんだと見間違えた。

彼女は呆然とし、思わず声を上げた。

「夜ちゃん?」

隣を歩いていた暁月海斗は、皐月夏帆が夜ちゃんの名を呼んだのを聞き、すぐに首を伸ばして周囲を見回した。だが、そこには人っ子一人いなかった。

「先輩、どうしたんですか? 夜ちゃんって、どこに?」

暁月海斗は不思議そうに尋ねた。

皐月夏...

ログインして続きを読む