第108章

翌朝、皐月夏帆が目を覚ますと――。

目を開けたその瞬間、視界に飛び込んできたのは、ベッドの脇にへばりつくようにしてこちらの様子を窺う、明と夜の姿だった。

夏帆が起きたことに気づくや否や、夜は小さな手に持っていた殻を剥いたピーナッツを、すかさず夏帆の口へと押し込んだ。

「ママ、あーん……」

夜のあまりに愛らしく、甲斐甲斐しい餌付けに、夏帆は思わず吹き出してしまった。

彼女は手を伸ばし、夜をその腕の中に抱き寄せる。

「もう、この子は……。ママ、まだ顔も洗ってないし歯も磨いてないのに、いきなり朝ご飯?」

夜は宝石のようにきらめく大きな瞳をパチパチと瞬かせ、小さな手で夏帆の頬を撫でなが...

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