第120章

第7章

江川はへらへらと笑いながら、翠川蛍の豊かな胸元を指差した。

「触るぅ、僕、触りたいの。ふわふわぁ……」

江川のその言葉を聞いた瞬間、翠川蛍は即座に被害者を装った表情を作り上げた。

「あなた、信じて! 私は江川さんを誘惑なんてしていないわ。私は、私は……嵌められたのよ!」

翠川蛍は本来、「皐月夏帆に嵌められた」と言い募るつもりだった。だが、言葉が喉まで出かかったところで、それを飲み込んだ。

なぜなら、彼女が江川と室内で二人きりになっていた時、皐月夏帆はずっと黒川明と話し込んでいたからだ。

もしここで皐月夏帆の仕業だと言い張れば、必然的に黒川明まで巻き込むことになる。

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