第13章

皐月正山のその態度は、皐月夏帆の怒りに油を注ぐだけだった。

彼女の脳裏に、十五年前の記憶が鮮明に蘇る。

あの時も、皐月正山はまったく同じ姿で、母である小山鈴に対峙していた。

当時、夏帆はまだ十歳だった。正山はすでに数年前から外で翠川螢と不倫関係にあり、その醜聞を突き止めた母が、正山に説明を求めた時のことだ。

皐月正山は、恥知らずにもこう言い放ったのだ。

「俺は男だぞ? 少しばかり金を持ってる男が、外に女の一人や二人囲うのは当たり前だろうが」

「女の分際で、家でおとなしく家事と育児だけしてりゃいいものを、俺のことに口出しする気か?」

「いいか、信じないならそれでもいい。今すぐ離婚...

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