第21章

篠宮湊の大きな手は、あろうことか皐月夏帆の腰をがっしりと掴み、もう片方の手は――唐突に、彼女の胸元に触れていた。

温泉上がりということもあり、夏帆が身に纏っているのは薄手の浴衣一枚のみ。さらに生地が薄いため、篠宮の手のひらには、豊かな膨らみの温もりが直に伝わってくる。

その大きな手に触れられ、夏帆の身体が微かに震えた。

心臓が早鐘を打ち、奇妙な既視感が胸を締めつける。この感覚……何年も前の、あの夜のことを容易に連想させた。

(まさか……そんなはずはない。絶対に彼じゃない)

夏帆の意識が急速に現実へと引き戻される。平静を装っていた頬が、カッと朱に染まった。

喉元まで出かかっていた礼...

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