第29章

皐月秋雨は乱暴に夜の手を引っ張り、ショッピングモールの中へと歩き出した。

夜はまだ幼いが、決して愚かではない。皐月秋雨にこれほど悪態をつかれて、黙って耐えているような彼女ではなかった。

彼女はぐっと顔を上げ、毒舌で応戦した。

「あんた、体質弱そうだし、いつクタバるか分かんないけどさ。死んだらそのスマホ、あたしに頂戴よ」

「あと、手につけてるその金ピカのブレスレットも、結構いい値段するでしょ? それも一緒にちょうだい。死人が使ってた物でも、あたし気にしないからさ」

皐月秋雨は罵倒の言葉を飲み込んだ。まさかこの年端も行かない子供が、これほど憎たらしい口を利くとは予想もしていなかったのだ...

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