第31章

やはり、今後は皐月秋雨を夢から遠ざけたほうがよさそうだ。

篠宮湊は子供が道を踏み外すのを案じ、身をかがめて夜に言い聞かせた。

「夢、いいかい。パパが教えてあげる。ママが言っていたことは間違いだ。真似しちゃいけないよ」

「友達なら、握手だけで十分だ」

「女の子なんだから、自分の身は自分で守らなきゃいけない。男の子を絶対に近づけちゃだめだよ」

篠宮湊は真剣な表情で、夜に自己防衛の何たるかを説いていた。

夜は篠宮湊の胸に寄り添っている。それはまさに、仲睦まじい父娘の温かい光景だった。

「パパ。男の子を近づけちゃだめってことは、パパもだめなの?」

夜が篠宮湊に尋ねた。

篠宮湊は頷き...

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