第32章

二階のテラスに上がった明は、パチンコを手に、人目につきにくい物陰を探して身を潜めた。

「明ちゃん、何をするつもり?」

夢が小声で尋ねる。

「フフッ、夢ちゃんは心配しなくていいよ。ただ、君のパパにちょっとしたお仕置きをしてあげようと思ってね。人の家の玄関先を覗き見るなんて、感心できないからさ」

そう言うと、明はポケットから紙を丸めて作った弾を取り出し、パチンコにセットすると、眼下の筱宮湊に向けて狙いを定めた。

シュッ――放たれた紙の弾丸が、筱宮湊のふくらはぎに命中する。

微かな痛みが走り、筱宮湊は瞬時に警戒心を強めた。

足元に落ちていた紙の塊を拾い上げ、手のひらの上で検分する。し...

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