第36章

それと同時に、皐月夏帆の登場は、黒川社長をはじめとするその場の人々にとって、実に意外な出来事だった。

その時、エーマ医療チームのスタッフが車から降り立ち、皐月夏帆の前に立って黒川社長に紹介を始めた。

「黒川社長、誠に申し訳ございません。実はエーマ先生に今夜、緊急の大型手術が入ってしまいまして、晩餐会に出席できなくなりました」

「ですが、社長との晩餐会のお約束がございますので、特使としてアシスタントの皐月夏帆を派遣いたしました。今宵、黒川社長とエーマ医療チームの提携に関する全権は、こちらの皐月に委任されております」

スタッフはそう言うと、一通の委任状を取り出し、黒川社長の手渡した。

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