第37章

「うちの大奥様は、もう何ヶ月も病魔に苦しめられているのよ。エーマ先生の手術を今か今かと待ちわびていたというのに、助手一人だけ寄越すなんて、少しばかり不義理なんじゃなくて?」

 陸上夫人の言葉を皮切りに、周囲からも不満の声が上がり始めた。

「黒川社長、うちの弟も先天性の心臓病なんです。ずっとエーマ先生の助けを求めていたのに、今夜ご本人がいらっしゃらないとなれば、どうすればいいんですか」

「助手一人で私たちを言いくるめようって言うのか?」

 ……

 ゲストたちの激しい追及に、さすがの黒川社長も冷や汗を流し始めた。彼は助けを求めるような視線を皐月夏帆に向けた。

「皐月さん、どうしましょ...

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