第41章

皐月夏帆は、皐月秋雨より一足先に洗面所へと入っていった。

皐月秋雨が女子トイレの入り口に辿り着いた時、すでに皐月夏帆の姿はなかった。だが、中から物音が聞こえる。獲物は確かにそこにいる。

ふと、皐月秋雨の視線が、隅に置かれた清掃用具に吸い寄せられた。そこには汚水の溜まったバケツがある。

その瞬間、彼女の脳裏に悪意ある閃きが走った。

今夜の晩餐会で、あの黒いイブニングドレスを纏った皐月夏帆は、憎らしいほど脚光を浴びていた。ならば、そのドレスを台無しにしてやればいい。

そうすれば、あの得意げな顔も歪むはずだ。

そう考えた皐月秋雨は、バケツを手に取り、なみなみと水を汲むと、皐月夏帆がいる...

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