第44章

黒川社長の姿を認めた瞬間、皐月正山の顔に、まるで救世主にでも出会ったかのような色が浮かんだ。

彼は慌てて地面から這い上がり、必死に声を張り上げた。

「黒川社長! 私です、皐月正山です! あの篠宮社長の、未来の義父になる者ですが……その、あの……」

黒川社長は正山の言葉を最後まで聞かず、遮るように言った。

「ふむ? 篠宮社長に用か?」

「なら、人をやって篠宮社長を呼び出そう。用があるなら外で話し合ってくれ。私の大事な宴の邪魔をされては困る」

そう言うと、黒川社長はスタッフを呼び寄せ、篠宮湊を呼びに行かせようとした。

窮地に立たされた皐月正山は、ふと皐月秋雨の言葉を思い出した。今夜...

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