第47章

皐月夏帆が言葉を切ったその瞬間――。

事情を察した周囲が、皐月正山が彼女に六億円の扶養料を要求しているのだと悟る中、正山の顔には悪意に満ちた笑みが浮かんでいた。

彼は声を張り上げ、言い放つ。

「六億だと? 皐月夏帆、乞食に恵んでやるつもりか?」

「俺が欲しいのは、六十億だ」

皐月正山は周囲の目など気にも留めず、己の欲望のままに法外な金額を提示した。

六十億――その数字が耳に飛び込んできた瞬間、居合わせた者たちは思わず目を見開いた。

ここに集まっているのは、L市の商業界を牛耳る重鎮ばかりだ。彼らが普段口にするのは、確かに億単位のプロジェクトである。

普段は羽振りが良く、L市の名...

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