第48章

「気になさることはありませんよ。篠宮社長は金に糸目をつけないお方だ。六十億など、彼にとっては些細な額でしょう。さあさあ、飲みましょう、飲みましょう……」

篠宮湊は不機嫌さを隠そうともせず、グラスを片手に周囲との会話に応じていた。

時折、彼の人垣を越える視線が、イブニングドレスを纏った皐月夏帆へと注がれる。彼女は大勢の人々を相手に、優雅かつ堂々と談笑していた。その気品あふれる姿は、篠宮湊の中に強烈な好奇心を掻き立てる。

一体、どんな人生を歩めば、これほど洗練された女性になれるというのか。

一方、会場の雑物室では、三人の子供たちがモニターに釘付けになっていた。皐月正山がどのような手段で皐...

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