第51章

水色未羽がそう言い終えるのと同時に、皐月夏帆のデスクに置かれた携帯電話が鳴った。

画面を見ると、家政婦の藍原からだった。一瞬、留守番をしている子供たちに何かあったのかと、皐月夏帆の胸に緊張が走る。

通話ボタンを押すと、藍原の声が聞こえてきた。

「夏帆様、すぐに戻っていただけませんか。お客様がいらしていて……」

L市に戻ってまだ半月、今の別荘に移ってからは三日しか経っていない。皐月夏帆には、この街で客が来るような心当たりは皆無だった。

彼女は聞き返した。

「客?」

藍原が答える。

「はい。その……ご自身を、夏帆様のお母様だと名乗っておられます」

その言葉を聞いた瞬間、皐月夏帆...

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