第63章

救命救急センターの処置室に皐月夏帆が足を踏み入れたその瞬間、まるで感応したかのように、夢ちゃんの弱り切った心臓が急激に鼓動を早めた。

暁月海斗は数名の医師と連携しながら懸命に蘇生措置を行っていたが、モニターに表示される数値が異常な上昇を見せると、焦燥を隠しきれない表情を浮かべた。

そんな中、視界に飛び込んできた皐月夏帆の姿は、彼にとってまさに救世主のように映った。

「先輩! 容態が急変しました、こちらの処置だけではもう制御できません!」

「数値を見てください。すぐにオペを始めないと、子供の心臓が持ちません!」

皐月夏帆は酸素マスクに覆われた子供の顔を見る間もなく、瞬時に状況を判断し...

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