第66章

徹夜で病院に詰め、皐月家の三人も限界を迎えていた。喉から手が出るほど帰りたかったのだ。

だが、綾瀬結愛がいる手前、このタイミングで立ち去るのはいささか分が悪かった。腐っても皐月秋雨は夢の実の母親なのだから。

皐月秋雨は小声で翠川螢に不満を漏らした。

「お母さん、もう眠くて死にそうよ。湊も帰ったんだし、私たちも帰らない?」

翠川螢とて眠気と疲労で倒れそうだったが、今帰るわけにはいかないと理解していた。

「駄目よ、今帰ってどうするの。未来の義理のお母様がいらっしゃるのよ。ただでさえあんたへの印象は最悪なのに、ここで帰ったら取り返しがつかなくなるわ」

皐月秋雨は目をぐるりと回した。

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