第7章

「乗っ取られた? 誰に?」

皐月夏帆の表情が険しくなる。

水色未羽は少し言い淀んでから答えた。

「翠川螢の親戚よ」

翠川螢。皐月秋雨の母親であり、皐月夏帆の父・皐月正山の後妻だ。夏帆の母がまだ存命だった頃から、二人はすでに不義の関係にあった。

母が亡くなると、翠川螢は我が物顔で家に上がり込み、皐月家の経済的実権を掌握した。

夏帆の母が半生をかけて築き上げた会社の株を奪っただけでなく、一時は夏帆の学費さえも断ち切ったのだ。

母が残した遺産の中で、現在唯一夏帆の名義となっていたのがこの家だった。

まさか数年海外に行っている間に、翠川螢が親戚を住まわせ、家を乗っ取っているとは思いも...

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