第72章

皐月正山のその言葉は、あまりにも辛辣で、重かった。

もし今、目の前に皐月夏帆が立っていたなら、彼は躊躇なくその息の根を止めていただろう。

そんな激昂する正山の姿を見て、皐月秋雨と翠川螢は密かに視線を交わし、ほくそ笑んだ。

数分後、数名の警察官がICUの前に到着した。

彼らは篠宮湊と手短に言葉を交わし、立ち去ろうとする。

それを、皐月秋雨が母親という立場を利用して引き留めた。

「警察の方、待ってください。娘を殺そうとした犯人がまだ捕まっていないのに、もう帰るんですか?」

警察官の一人が秋雨を一瞥し、眉をひそめながら説明した。

「申し訳ありませんが、奥様。ICUの監視カメラシステ...

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