第79章

皐月夏帆が地面に倒れ込むのを見るや否や、サングラスをかけた二人の男が車から飛び出し、有無を言わさず彼女の身体を担ぎ上げると、そのままミニバンへと押し込んだ。

皐月夏帆が次に目を覚ました時、彼女は椅子に座らされ、身体をロープで拘束されていた。

目の前には葉巻をくわえた男が一人。下卑た笑みを浮かべ、ねっとりとした欲情の視線でこちらを値踏みしている。

夏帆は身じろぎしてみたが、首筋に鈍い痛みが走るだけだった。

「あなたは誰? なぜ私をこんなところに連れてきたの? お金目当て? それとも他に目的でも?」

夏帆はわずかに呆気にとられたものの、すぐさま目の前の男を鋭く問い詰めた。

この男の名...

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