第82章

全身が燃えるように熱く、体中を無数の蟻に齧られているかのような不快感が彼女を襲っていた。

その時、ふと脇に置いてあったミネラルウォーターのボトルが視界に入った。

あの平屋から、何気なく持ち出してきたものだ。

当時、彼女はただ喉が渇いていただけだった。ボトルが未開封だったこともあり、疑うことなく口にしてしまったのだ。

今にして思えば、神谷とその手下どもは、最初からこの水に媚薬を仕込んでいたに違いない。彼女が屈服しなかった時に、無理やり飲ませるつもりだったのだろう。

まさか、自らその罠に足を踏み入れてしまうとは。

皐月夏帆の顔は見る見るうちに紅潮し、薬効が強まるにつれて、座っているこ...

ログインして続きを読む