第84章

薬の効果もあってか、ひとしきり貪るように求め終えると、皐月夏帆は泥のように深い眠りに落ちていた。

一方、篠宮湊は片肘をついて頭を支え、まるで一幅の絵画でも鑑賞するかのように、真剣な眼差しで皐月夏帆の寝顔を見つめていた。

脳裏に、彼女との出会いからの記憶がゆっくりと蘇る。当時の彼には想像もつかなかったことだ。初対面の頃は互いに敵意を剥き出しにし、いつ食い殺し合ってもおかしくないほど険悪な関係だったというのに。

あれからどれほどの時が流れたというのか。彼女は娘の命の恩人となっただけでなく、こうして同じベッドに身を横たえ、あまつさえ、あらゆる体位でその身体を余すところなく開発させてくれたのだ...

ログインして続きを読む