第89章

第11章

あわや、二人の幼い子供が翠川良夫婦の手によって、近くの茂みへと連れ込まれようとしていた。

その時、ちょうど夕食を済ませ、別荘地内を散歩していた綾瀬結愛が、彼らの助けを求める声に気づいた。

彼女は驚き、大股で急いで声のする方へと駆け寄る。視界に飛び込んできたのは、まさに翠川良夫婦が二人の子供を無理やり茂みへ引きずり込もうとしている光景だった。

必死に抵抗し、叫んでいた夜が、綾瀬結愛の姿を認めるなり、すがりつくように声を上げた。

「おばあちゃん、おばあちゃん助けて……」

「おばあちゃん、人攫いよ! この人たち、私たちを連れて行こうとしてるの。おばあちゃん、早く助けて!」...

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