第9章

理屈の上では、皐月秋雨の言い分には一理あったのかもしれない。

だが、筱宮湊はそれを遮るように口を開いた。

「筱宮家には家訓がある。だが、夢はまだ子供だ。心臓が悪く、いつ何が起きるかわからない。医師も言ったはずだ、すべては彼女の命を最優先にすべきだと」

「祖父でさえ特例として認めている。彼女は筱宮家のいかなる規則にも縛られないと」

「それに、もう何時だと思っている? 子供をこんな時間まで空腹にさせておいて、肉を一切れ食べただけで行儀が悪いだと? 教養と子供の身体、どっちが大事なんだ?」

筱宮湊の正論に、皐月秋雨はぐうの音も出なかった。心の中では、筱宮湊をただの親バカだと思っていた。

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