第95章

皐月夏帆は必死に篠宮湊の胸を押し返そうとした。

だが、執拗な口づけによって既に全身の力を奪われ、蕩かされた皐月夏帆の抵抗はあまりに弱々しい。その微弱な反抗は、篠宮湊の目には拒絶どころか、むしろ自分を誘っているようにしか映らなかった。

篠宮湊は構わず唇を貪り続ける。彼は皐月夏帆の滑らかな脚を掬い上げると、強引に自らの腰へと絡めさせた。

ちょうどその時、洗面所に誰かが入ってくる気配がした。個室から漏れる艶めかしい音と気配を察したその人物は、下卑た笑い声を一つ残し、空気を読んで立ち去っていく。

皐月夏帆は羞恥のあまり、篠宮湊の胸に顔を埋めたまま、顔を上げることができなかった。

「篠宮湊、...

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