第99章

「恥知らずが何を企んでるかなんて、僕らにわかるわけないでしょ」

明は肩をすくめ、夜にそう答えた。

二人の世話係である藍原は、翠川良夫婦の姿を認めると、すぐに明と夜の左右の手を引き、二階へと促した。

ここに引っ越してくる際、皐月夏帆からきつく言いつけられていたのだ。もし誰かが因縁をつけに来たり、揉め事を起こしたりした場合は、何よりも先に子供たちを守るように、と。

子供たちが二階へ上がったのを見届けてから、藍原は外へ出た。翠川良夫婦と決着をつけるつもりだ。

藍原が門の前に着くと、翠川良夫婦が警備員たちに食ってかかっていた。その剣幕は、今にも庭に押し入り、大騒ぎを起こさんばかりの勢いだ。...

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