第119章 凌太と由佳が誘拐される

宴会も、そろそろお開きという頃だった。

今日の主役である平川希は、当然ながら多くの者から酒を勧められていた。高原賢治が側にいるため、誰も無茶なことはしてこないが、避けられないものもある。今や少し頭がくらくらし、足元がおぼつかず二、三歩よろめいたが、幸いにも高原賢治が隣で支えてくれた。

「家まで送る」

平川希は手を振った。「お客様がまだ残っていますのに、私が先に帰るのはよくありません」

その言葉を聞いた周りの者たちの心臓が、きゅっと締め付けられる。そしてすぐさま、温度のない視線が彼らの上をさっと流れた。

ゴホン……。

その視線は明らかに、まだ帰らずに泊めてもらいたいのか、と問うてい...

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