第39章 兄さん、生きていたいんだけど、いいですか

「…………」

この小賢しい二人は、一体何を考えているのだろうか。

「ママ、早く教えてよ」凌太と由佳は期待に満ちた眼差しで平川希を見つめた。

平川希は冷や汗をかく。「凌太、由佳、誰があなたたちに、あの二人が私のことを好きだって言ったの?」

「自分たちで見てわかったんだよ」

平川希は凌太と由佳の可愛らしい小さな鼻をつんとつついた。「あなたたちったら、まだ小さいくせに、毎日何を考えてるの。誠也さんはママの同僚で、彼には好きな人がいるのよ。隼人さんは……」

平川希はふと、あの狂気じみた男が刃物を研ぐ光景を思い出し、思わず心が震えた。「彼は、ママのお兄さんみたいなものかな。だから二...

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